マンション選びに役立つ人気の間取りを解説
マンションの部屋選びでは、そのマンションの価格や場所の利便性を考えることは大切です。でも、こうしたポイントに加え、マンションに住んでからにも影響するのが、その部屋の間取りではないでしょうか。また購入する部屋の間取りを確認することは、欠かせないポイントだという方もおられるでしょう。
様々な間取りがありますが、そのメリットを知っておくことで、暮らしを更に楽しむことができます。家族の人数やライフスタイルに合わせ、自分にはどんな間取りが最適なのか、確認してみてはいかがでしょう。
田の字型
日本家屋の一般的な間取りに田の字型というのがあります。田の字は、文字の中央に縦線、横線が走っていますが、この文字同様に、家屋の中央に縦と横の動線が存在する型のことを田の字型と呼びます。例えば共用部分から室内に入る玄関から、リビングダイニングまでの廊下が家屋の中央に存在し、その廊下を交差する形で寝室や和室への動線が存在する配置となるものです。
こうした田の字型の部屋は、部屋の中央に壁が多く存在するため、耐震強度の高い構造というメリットがあります。またそれぞれの部屋が独立した形になっているため、家族それぞれの独立した部屋が欲しいという方に最適な構造です。
とくに古いタイプのマンションにはこうした田の字型の配置となったものが多く存在しています。各部屋がそれぞれ独立しているため、窓や扉を開け放しておかなければ通気性が図りづらいといったデメリットがあります。
ワイドスパン型
ワイドスパン型の部屋は、マンションに設置されたバルコニーに特徴があります。ここでいうワイドとは、バルコニーのことで、広いバルコニーを配置する間取りの部屋をワイドスパン型と呼びます。通常のバルコニーは、6メートル程度ありますが、ワイドスパン型と呼ばれる型のバルコニーは8メートル以上あるものを言います。
ワイドスパン型はバルコニーが広いことで、様々なメリットがあります。例えば、バルコニーが広いため、風通しが良いということが一番に挙げられるでしょう。バルコニーにつながる窓も大きく設けられますから、開放的で日当たりが良いうえに、リビングと寝室がバルコニーでつながるなど動線が広がるところもメリットです。加えて窓に通じる部屋同士が開放的につながっているため、小さなお子さんをお持ちのご家族なら、子供の姿をどこからでも確認できる安心感にもつながります。
一方、開放的であるがゆえにプライバシーを図りづらいという点がデメリットといえましょう。それぞれ独立した生活をするご家族で同居する場合、それぞれの存在や音が気になる可能性があります。
センターイン型
近年、人気が高い間取りがセンターイン型と呼ばれる型のマンションです。センターイン型とは、共用部分から入る玄関が、間取りの中央に配置されている構造となっているものです。
センターイン型は、玄関から入ると居住する家族それぞれの部屋に向かうことができるため、家族の動線が交差しづらく、動きやすいといったメリットがあります。また各部屋それぞれに外に通じる窓を配置できるため、風の通りが良くなります。
一方、デメリットとしては、居住する家族それぞれが相手の存在を確認しづらいという点があります。玄関からそれぞれの部屋に入りやすい構造をしているため、顔を合わせるタイミングが少なくなります。
センターイン型は、独立した住人それぞれが同居する場合や、荷物の多い単身世帯が暮らすためには、部屋数も多いため最適と言えます。
ライフスタイルに合った間取りを選ぼう
マンションには、ご紹介した田の字型やワイドスパン型、センターイン型以外にもいくつかの間取りが存在します。それぞれ、ご紹介したようにメリットやデメリットが存在しており、購入する際の決め手は、自分のライフスタイルに合っているかというところになるでしょう。
例えば、小さなお子さんをお持ちのご家庭の場合、今現在のお子さんを生育する環境としてはワイドスパン型が向いているように思えます。しかし、子供が成長した暁にはどうでしょう。また何人かの子供がいるという場合、数年後には自分の部屋を希望する可能性も出てくるでしょう。
田の字型にしても、高齢のご家族と同居しているのなら、後の介護を考慮すれば手狭に感じる個所も出てくる可能性があります。水回りなどの配置もどこにあるか、事前に想定しておく必要があるでしょう。
こうしたことを含め、今だけではなく、近しい将来をも考慮したライフスタイルにあった間取りを選ぶことは、快適な居住空間を作るために欠かせないことです。
まとめ
最近は、中古マンションをリノベーション工事して自分の住みやすい間取りに変えて暮らしているという方も増えています。しかし、こうした場合でもどこまで工事できるか、事前に確認しておく必要はあります。例えば田の字型の構造の部屋をリノベーション工事してセンターイン型にしようと思っても、構造上できない可能性も出てきます。こうした点を踏まえれば、購入前にどういった配置が自分に適しているのか、しっかり考えておくことは大切です。