売主も知っておくべき!不動産会社による物件調査の内容

不動産取引をする際に義務付けられていることとして、「重要事項説明」があります。これは賃貸でも売買でも必須となります。そしてそこに記載するための、該当不動産に関する情報を確認したり調べたりすることを「物件調査」と言います。説明を行うのは不動産会社の「宅地建物取引士」の有資格者ですし、売主が直接何か作業をするということはありません。ただ、売主としてどういった部分が調査されるのか知っておかれると良いでしょう。

物件調査とは

不動産取引を行う際の「重要事項説明」は、当事者間における最終確認という重要な作業です。特に借主や買主は慎重に確認する必要がありますし、不明点があればこの時点で確認しておかなくてはなりません。担当者が物件調査を行い、説明を行うのは宅建の有資格者です。そのため、貸主や売主が調べたり説明したりといったことはありません。ですが、その内容については知っておくと良いこともあります。

不動産を売却する際、売り出し価格のベースとなる査定価格が算出されます。多くの場合、売主は複数の不動産会社で見積もり査定を出してもらい、会社選びの基準にすることとなります。インターネットの一括査定などでは簡易的な確認事項をもとにした査定となりますので細かな調査は行われません。しかし、訪問査定を依頼した場合や、本格的に物件の売り出しを行うにあたっては、不動産に関する調査が行われます。売主としては、どういった内容が確認されるのかを知っておいて損はないでしょう。

一般的な家や土地の取引における重要事項説明の項目数は、40~60項目ほどとなります。ここですべてを紹介することはできませんが、どういったことが記載されているのかを簡単にまとめると、次の4つに分けられます。1つ目は、不動産登記など、物件の権利に関する内容です。2つ目は、物件の法的な制限についてです。たとえば増築や建て替え、建物の高さの制限などに関してです。3つ目は、物件の状況や将来的な可能性についてです。内容は様々ですが、築年数、インフラ、都市計画道路の有無などです。4つ目は、契約を結ぶ際の諸条件です。物件の価格、ローン特約といった内容です。

現地・周辺調査

物件調査を行う際、現地に出向いて確認する現地・周辺調査というものがあります。実際に出向いてみないと確認できない事項もありますので、通常現地での調査は必須となります。主な内容は、周辺の高圧線の有無、外観や周辺建物の状況、道路の舗装状況、近隣の騒音や匂い等といった事です。高圧線の有無については、電磁波の影響を気にして敬遠される場合も多いと言われます。また最近では、近隣の環境や騒音等を気にする方が増えているようです。近隣の空き地、隣接建物の状況や近隣の建築予定などの確認もあります。

物件自体の調査内容としては、リフォーム履歴、景観や日照条件、収納スペースや設備機器などが含まれます。マンションと一戸建てで異なる部分もあります。たとえばマンションでは、管理規約、マンション管理費や修繕積立金等の諸費用、長期修繕計画の内容が確認されます。その他、滞納の有無なども調べられます。

一戸建ておよび土地の場合ならではの調査内容としては、接道状況や道路の種類、上下水道の確認、境界や越境の有無などが挙げられます。特に道路調査は非常に重要です。土地の区画について、法務局で取得する「公図」と現況に相違があれば、後々のトラブルへと発展しかねません。たとえば、隣地との境界が不明確だと境界に関するトラブルでは、災害が起こった後、正確な境界が分からず元に戻せないといったトラブルなどが生じる可能性も考えられます。また当然、公図と現況に相違がある状態では売買取引が希望通り進まないといったことにもつながります。

法務局調査

賃貸でも売買でも、不動産取引では「重要事項説明」が必要で、そのために不動産会社による物件調査が行われます。賃貸と売買で共通する部分もあれば、売買ならではの項目があります。それは、権利関係や土地の状態です。売買の際には登記簿移転が必須となりますので、このあたりの調査がしっかりと行われます。とは言えそんなに手間のかかることではなく、法務局で必要書類を取得し、内容の確認を行うというのが主です。

法務局で取得する書類は、「不動産登記事項証明書」、「公図」、「地積測量図」等です。「公図」や「地積測量図」は、現地調査でも用いられます。ちなみに「不動産登記事項証明書」と「登記簿謄本」については記載内容は同じとなります。後者は、コンピュータ処理していない登記所で発行した書類を指します。登記所では、登記事項は登記用紙に記載・保管されています。つまり前者はコンピュータ内のデータを印刷したもの、後者は用紙をコピーしたものという違いです。現在では前者の不動産登記事項証明書を用いられるのが一般的です。

不動産登記事項証明書や登記簿謄本を取得すると、対象物件の所有者、抵当権者、地番、建物の有無、正式な住所、建物の種類等の情報が確認できます。公的に認められた物件に関する情報、状態というのがこの書類で証明できるというわけです。

役所調査

不動産購入後、数年後にその物件の場所で道路工事の予定、土地開発の予定が発覚すると大変なことです。そういった事態を避けるために、役所調査が行われます。市区町村の役所、水道局などを訪れるのが一般的な方法です。そして現地調査においても同様のことを調べます。書面上で確認し、さらに現地に出向いて現況を確認するのです。具体的な確認事項としては次の通りです。

計画道路の予定の有無、住居として規制を受けたり地域もしくは自治体によって制限されたりすることがあるか、区画整理事業はどうか、道路の幅はどうか、接道状況や道路の種類等が調査対象となります。つまり物件周辺の環境や現況、設備について調べることで、不動産の売買取引において不利な内容がないかを確認するのです。

水道局では、配管の図面を確認して、配管の口径などを調べます。さらに、配管がきちんと対象物件の敷地内に引き込まれているかどうかを調べたりもします。その他ライフライン調査としては、主に現地調査で電気やガスについても確認します。電気の容量や電柱の位置、都市ガスかプロパンかなどが対象となります。その他、下水道局で施設平面図などを確認しながら下水の状況、公設管か私設管かといったことを確認します。

まとめ

不動産会社による物件調査は主に3つ、現地・法務局・役所での調査です。法務局や役所で取得した書類や資料をもとに現地で確認するなど、総合的に行われます。非常に細かなことのように思える内容も、後々のトラブルを防ぐためには欠かせないことなのです。売主として、直接関わるようなことはあまりないかと思います。しかし契約時の重要事項説明だけでなく、不動産価値を査定する際にも同じような内容が行われます。自身の不動産のどういった部分が調べられるのか、知識として知っておかれると良いでしょう。

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